2013年2月19日火曜日

4日間連続公演 そしてクモの巣のダンス (2009/08/04)

4日間連続公演 そしてクモの巣のダンス 木曜日は、斑鳩ホール。金曜日は、大和高田のさざんかホール。そして、土日は、神戸のQ2で「マンディサマサマ」。4日間連続公演。 土曜日は、セミナーとジャワ島中部地震を契機に生まれたラハルジョさんの作品「Gempa」の上演。「Gempa」の上演は、3回目。バリガムランの小林江美さん、バーンスリーのHIROSさん、それから数名のガムランエイドメンバーもパフォーマンスに加わった。地震を忘れないために行うお祭りのように、いろんな方にこれからも参加して行ってほしいと思う。それが、ラハルジョさんの願いでもある。僕は、地震を引き起こすダンスをした。蛇のようにも見える長い白い布を引きずったり、振り回したりして、暴れ回った。二日目の打ち上げの最後に、ボランティアの学生スタッフの女の子が話しかけてきてくれた。小学生の時に、灘区で地震を体験した時のことをすごく思い出した。蛇のダンスは、怖かったけど、自分の体験と近くて、なぜかうれしかったと。ラハルジョさんによると、今はまだジャワではできないと言う。しかし、いずれは、ジャワでもやることになるだろう。 日曜日は、11時から17時までの長丁場。僕の出番もいろいろあった。11時からのオープニングで、まずは伝統舞踊。Q2はフェリー乗り場なので、海に突き出た埠頭になっている。僕は踊りながら、お客さんの後ろの海が見えるし、お客さんは僕のバックに海が見える。ジャワ舞踊は、波の舞踊。とても気持ちがよかった。後で、見に来ていた美術家の西純一さんに写真をもらった。10年前、スペース天で帰国して初めて踊った時の写真と見比べると、姿勢はほとんど変わらないんだけど、心持ちが変わっているのが、映り込んでいる。ほんとにわずか変化なんだけど、これが10年の変化。 午後からは、美術家の池上純子さんたちとパフォーマンスをした。古い味のある階段。タイルに、手すりに、窓枠に、触ると感じる木目があり、長い時間の記憶が詰まっている。波打ったガラスを通して入る柔らかな光の中で、時間が経過して行った。 続いて、ワークショップ。波のワークショップ、振り子奏法のワークショップ。参加者の方も見事な波を送ってくれて、その波揺らされて、ガムランを叩いた。このシリーズは、どんどん深めて行きたい。最後に、少し湯気のダンスを試みるが、夏場は湯気が見えにくい。寒くなってきたら、またやってみよう。 そして、最後の大混浴。僕は、構成役をまかされていた。すべての出演者、美術家が参加した。ラハルジョさんの「Gempa」(地震)のその後を試みた。少しずつ再生して行くプロセス。しかし、いつしか地震は繰り返される。そして、また再生が始まる。破壊と再生の繰り返し。その再生に、すこしでも新しいなにかを加えていきたい。そんな思いを「シェア」したい、というのが今回のテーマだったのかもしれない。 打ち上げを終えて、家へ戻ると22時過ぎ。東京からやってきていたワヤン協会の中村伸さんが泊まりに来てくれた。では早速と、本をプレゼントしてくれた。すごい本だ。この本に関しては、もう一度改めて書かなければならない。松本亮さんのワヤンの本の新刊と絵本。 ワヤン・ジャワ、語り集成<上>、<下> 翻訳:松本亮 八幡山書房 月刊たくさんのふしぎ 2009年1月号 ノントン・ワヤン! 松本亮:文 橋本とも子:絵 熊谷正:写真 福音館書店 どうも先日の乾千恵さんの「スマントリとスコスロノ」以来、ワヤンづいている。 月曜日。チャーハンの朝ご飯を食べて、散歩へ。ブナも保育所をさぼった。田んぼのあぜ道を通ると、長く伸びた稲から、稲穂が伸びはじめていた。棚田は、日差しの加減か田植えの時期の加減か、段によって育ち具合が微妙に違って、きれいなグラデーションになっている。石垣にカタツムリ、桜に蝉、稲に小さなカエル、溝に沢ガニ、小川にシマ蛇。集落の外れにある岩から水がわき出している泉に到着。大きな自然の岩に囲いを付けて、小さな池ができている。足をつけると、1分も我慢出来ないくらいの冷たさ。汗が一気に引っ込んだ。ブナを後ろから突き落とした。止めろや!と言いながら満面の笑み。3度4度と、今度は自ら飛び込んだ。僕も、一緒に飛び込んだ。目が覚める気持ちよさ。 大きな木の横の急な坂道をあがると祠があった。今まで気づかなかった建物。大きなクモの巣があった。持ち主は引っ越したようだ。三方に渡された糸の張力を確かめる。結構しっかり、張られている。ググッと押して行くと、プツンと切れる。張りつめていたネットはスッと縮まり、風になびく。クモの巣のダンス。これだから散歩はやめられない。

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