2013年7月5日金曜日

光の川 (18/02/2010)

2月15日(月曜日)18時過ぎに船場アートカフェ到着。今日は,船場マンスリーカフェの僕の担当日。大阪ピクニック夜編。去年,春と秋に大阪ピクニック01と02を行った。いずれも3日間シリーズで、1日目作戦会議、2日目ピクニック、3日目映像上映という流れだった。今回は,1日だけのショートバージョン。 

19時過ぎには,参加者が全員集合。大阪市大商学部のHさん、文学部のSさん、神戸大学大学院のMさんとNさん、写真家のTさん、ボーカリストのTさん、ボイストレーナーのKさん、歌が得意なNさん、そして映像担当の本間直樹さんと船場アートカフェの高岡伸一さん。まずは、それぞれ自己紹介。ピクニックに行くんだから,仲良くならないと。それから、I-Picnicの映像上映。「STAMPOK PARK」「BY THE DANUBE」。ハンガリーの子どもとの即興とドナウ河畔での佐久間新+野村誠+藪久美子の即興。映像は、もちろん野村幸弘。 

それから、みんなで動いてみることに。僕はこういうワークショップをする時は,なるべく事前に決めないようにしている。その場とメンバーの雰囲気を見ながら,なるべく即興的にワークショップを進めていく。スタジオの壁に、縦にスリットの入ったカーテンがグルリとかかっている。結構繊細な動きをしそうだったので,それに触れてみることから始めた。そっと触れてみたり,戯れてみたり。みんな入り込んでやっている。まだまだやりたそうだったけど,スタジオの外へ。今日は,ショートバージョンだからある程度さくさくと行こう。 



これは、前にも少しやったことがあるんだけど。船場アートカフェの地下の踊り場の気持ち悪さを体験。そこだけ天井が異様に低くなっているので,かなり圧迫感がある。音や光の感じも変わってくる。背の高さでもかなり違うみたい。そして、ビルの入り口へ。自動ドアがある。中からは反応するが、外からは開かないタイプ。ひとりずつ近づいていって,センサーが感知しないギリギリで止まる。順番に人数を増やしていって,センサーの届く範囲をみんなのからだで描く試み。途中で外へ出て見てみたが,かなりおかしい。見えないものを感じて,からだであらわすのも、ダンスの大切なこと。 

外の世界へ。路地の角を曲がると,御堂筋から風が吹いてくる。店先のシャッターで風宿り。大通りからは,車の音が、信号が変わるたびに通り雨のように聞こえてくる。夜の御堂筋を歩く。Tさんが、ヘッドライトに流されると言って下流に流されていく。光の川。横断歩道をわたって,西側へ。「夜のビル街って、走りたくならない?」って、僕が聞くと,Kさんがうなずくので,ふたりでダッシュ。みんなもついてくる。止まった横には,壁一面がライトアップされた不思議なビル。のっぺりとした壁面に,光によって微妙な陰影が生まれている。かなり美しい。柵が無かったら,入り口前で踊るんだけどなあ・・・。柵のところで,声を壁に放り投げたり,寝転がって壁を見上げてみたり。大きなビルの前では,ビルと一体化したついでに伸びをしたり。 




御堂筋は、西端1車線、小さな中州,4車線,小さな中州,東端1車線、全部6車線、幅40メートル、長さ4キロの大阪のメインストリート。南向きの一方通行。中央大通りの北側は,オフィス街。みんなで中州の北端に立って、タイタニックごっこ。ヘッドライトの光の波を味わう。股のぞきをすると,光が全然違って見える。振り向くと,何百個の赤信号が一斉に青に変わる。一方通行なので,前には信号の光が見えない。中州には、まっすぐ伸びるイチョウ、身をくねらせるイチョウ。上には車が,下には地下鉄が走っている。イチョウはどんな音を聞いているのか? 

巨大な建設中のビル前,地下を塞いだ鉄板の上で,足を踏みしめたり,音を壁に放り投げたり。40メートル向こうのビルにも音が当たって返ってくる。おしくらまんじゅうしたり,走り回ったり,かくれんぼしながら,移動していく。みんな、だいぶからだが軽くなったみたい。まだまだ続けたかったけど,今日はショートバージョン。「横断歩道をわたったら、いつもの世界に戻ったことにしよう。」と言って,横断歩道を渡るんだけど,簡単に元には戻れない。神戸大学のNさんといつまでも足音で遊び続ける。 


船場アートカフェに戻って,質問とアンケートタイム。Mさんが、「気持ちのいいところへ行って、感じるところまではできる。そこから後もう一歩、踊るっていうところに・・・。」そう、そこがね、難しいと感じるかもしれない。でも、感じることさえ出来たら,僕は難しくないと思う。こころが揺らぎだせば,それはもうダンスなのですよ。Mさん、また一緒にピクニックしましょう。今年は,神戸でもピクニックをする予定です。

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